歯の神経にまで到達するほどに大きな虫歯だと神経治療を行うしか痛みをなくす方法はありません。当院の歯科用顕微鏡を使用した神経治療であれば、歯を削りすぎずできる限り残すことができるので理想的な神経治療を行うことができます。ですが、本来なら神経まで到達するほどに虫歯は放っておかず、小さな虫歯のうちに処置を行う方がより賢明だと言えます。
神経を抜いてしまうと虫歯に気づかない
歯の神経は冷痛や温痛で虫歯ができていることを知らせてくれます。ですが、歯の神経を抜いてしまうと痛みが生じないため、歯に虫歯ができていても気づくことができません。
また、歯科医院でも歯に神経処置後の土台を入れて歯に被せ物をした状態だとレントゲン写真では被せ物が入っている部分は白く映ってしまうため虫歯も発見しづらくなり、被せ物を取り除かないとどの程度の大きさの虫歯になっているのかを判断しにくくなります。
なので、患者さん本人が気づく頃には大きな虫歯でほとんどご自身の歯を残せない状態になってしまうことがあります。
なぜ神経を抜いた歯が虫歯になるの?
神経を抜いてしまえば虫歯にならないと思っている方もいるかもしれませんが、神経を取っても虫歯にはなります。神経治療は歯の内部にある神経や血管を除去して内部を一度綺麗な空洞にする処置になります。そのため、歯根部分はご自身の歯がそのままの状態で存在します。神経処置後は歯全体に被せ物をするので、ご自身の歯がなくなったように見えますが、その内部はご自身の歯がのこっています。
銀歯&メタルコアを使用すると虫歯罹患率が上がる
銀歯でアルミ箔を噛んで「キーン」とした経験のある方はいますか?実はこの時「ガルバニー電流」と呼ばれる微弱な電流が流れています。この電流は体の不調や頭痛といった神経障害を引き起こしたり、金属イオンが体内に流れ混んでしまう原因となります。唾液に金属イオンが流れると金属アレルギーを引き起こしたり、歯と銀歯に隙間が生じて再度虫歯を作りやすくなります。
自費と保険治療では使用する接着と合着の違いもある!
自費と保険は被せ物の材質以外にも歯につける際に使用するセメントにも違いがあります。自費で使用するセメントは一般的にレジンセメントを使用し、接着面が化学的に結合する「接着」作用があります。そのため、長年使用しても溶け出す心配がなく、歯と被せ物の間に隙間が生じにくくなります。
一方保険で使用するセメントは、歯と被せ物の間に存在する凹凸部分にセメントが入り混んで固まるため、外れにくくなる「合着」作用になります。悪くいってしまうと摩擦力で被せ物がかぶさっているだけできちんとくっついているわけではありません。
こういった違いからも保険の銀歯と自費の被せ物ではその後の虫歯になりやすさも違ってきます。
神経を抜いた歯が重篤な虫歯になったら…
歯の神経を抜く処置は虫歯治療において最後の手段になります。もしも神経処置後の歯が大きな虫歯になってしまったら抜歯して以下のような処置を行わなくてはいけません。もしも抜歯後に処置を怠ると、「歯並びが悪くなる」「噛み合わせに異常が出る」「歯列不正から虫歯や歯周病になりやすくなる」といったデメリットが出てきます。
部分義歯
奥歯の場合は部分義歯を選択することもできます。隣接する両隣の歯に金属のバネ(クラスプ)をかけるため、審美的な問題が生じます。また、慣れるまで違和感を感じやすく、きちんと着脱して清掃をする必要があります。
ブリッジ
抜いた歯の両隣を削ってブリッジにすることで補うことができます。2本で歯3本分の役割を担うため、支えになっている歯がダメージを負ったり、支えている歯が清掃不良で新たな虫歯をつくってしまう可能性もあります。
歯の移植
親知らずがのこっている場合、抜歯した箇所に親知らずを移植して使用することができます。ただ、抜いた歯が親知らずと同じ大きさの歯の場合に限られてしまいます。親知らずや埋伏歯であれば、保険適応内で治療が可能なので費用も抑えることができます。
ですが、八重歯や叢生等歯並びに問題のある歯を抜いて移植に使用する際には保険適応外となるため高額な費用がかかってしまいます。
インプラント
歯の移植とは違い、インプラントは埋入する部位を選びません。抜歯した箇所に合わせて太さや長さも調整でき、審美的にも優れています。ただ、治療費用が高額になってしまうという点と1次オペと2次オペが必要になるので、きちんと歯として使用できるまでに期間がかかるというデメリットがあります。
神経治療は虫歯治療の最終手段!虫歯にならないように予防しよう!
歯は削ってしまうととてももろくなります。まして歯の神経を除去してしまうと歯がダメになるのも時間の問題です。いくら良い治療を行ったとしても、全く歯科治療を行っていない歯と比較した場合後者の方がより良い状態を保つことができます。まずは虫歯にならないように予防に努めましょう。